高血圧シリーズ ① 高血圧症から起こる病気

高血圧症から起こる病気

血管の壁は本来弾力性があるが、高血圧状態が長く続くと血管はいつも張りつめた状態におかれ、次第に厚く、そして硬くなります。
これが高血圧による動脈硬化で、この動脈硬化は、大血管にも、小血管にも起こり、脳出血脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの原因となります。
また、心臓は高い血圧にうち勝つために無理をすることになり、心臓肥大が起こり、心不全になることもあります。
したがって、こうした合併症を予防するためには、高血圧にならないように注意し、既に高血圧の人は血圧を正常化することが必要となります。

コメント
「人は血管とともに老いる」という有名な言葉があります。
血圧値、血糖値もコレステロール値の治療は、いずれも数字で出るものです。
患者さんに限らず医師も、ついガイドラインで示された最適なコントロール値、つまり数字を追いかけるをこと自体が目標になってしまいます。
あたかも治療の現場が、「数字合わせ」をすることに終始してしまう愚に陥ってしまいがちです。
治療の目標の現場は、以下に図で示すように「血管」にあるのです。
治療にあたっては、動脈硬化の有無や程度を評価して、年齢も考慮しながらそれぞれの患者さんに最適な治療をする必要があります。
そのためには是非とも検査が必要となります。

当院で行える検査としては
頚動脈エコー(頚動脈狭窄のチェック)
腹部エコー(腹部大動脈瘤のチェック)
脈波伝播速度 CAVI(動脈硬化、動脈狭窄のチェック)
眼底検査(眼底動脈の硬化や出血)
胸部レントゲン(心拡大、胸部大動脈瘤
心電図(心肥大、心筋梗塞狭心症
などがあります。

病院へ紹介する検査としては
冠動脈病変を評価するための冠動脈造影や冠動脈CT
脳動脈の病変を評価するMRI(脳実質の評価)、MRA(脳血管の評価)
などがあります。

 

脳出血

 

血栓

 

腹部大動脈瘤

 

心筋梗塞

 

腎硬化

 

眼底病変(眼底出血)

参考
国立循環器病研究センター 高血圧
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/hypertension-2/