高尿酸血症とは? 要因と対処法

高尿酸血症とは? 症状や尿酸値が高くなる要因も
高尿酸血症痛風になるリスクもあります
血液中の尿酸値が7.0㎎/dlを超える状態を高尿酸血症と呼んでいます。
成人男性の20%が高尿酸血症であるとも言われています。
高尿酸血症痛風関節炎だけでなく、腎障害やメタボリックシンドローム、心血管障害とも関連があります。
高尿酸血症痛風発作が海面に浮いている氷山にたとえると、海面下に脳卒中心筋梗塞、腎障害、高血圧、狭心症などが潜んでいる可能性があります。
したがって、高尿酸血症の方は尿酸値だけのコントロールだけをすればいいというわけではありません。
長い目でみれば致死的になる生活習慣病が隠れている可能性があるのです。
高尿酸血症だけでは死に直結しません。
水面下の病気を積極的にみつけて治療することが大切です。

高尿酸血症の人は、尿酸値が6.0mg/dL以下の人に比べて生活習慣病を合併する割合が3倍以上といわれています。
参考
氷山で理解する痛風発作のメカニズム
https://www.youtube.com/watch?v=4MuVEdBBjic
(動画)

尿酸値が高いだけでは症状はありませんが、血中の尿酸値が高い状態が続くと溶け切れなくなった尿酸が結晶となり、関節などに蓄積していきます。

蓄積した尿酸の結晶は体が異物として認識するためにそこで炎症が起き、これが痛みとして感じられるようになります。(「痛風発作」といいます)

また尿酸が腎臓にたまって結石ができると背中に痛みが生じ、結石が尿管や膀胱に移行するとその部分で炎症を起こし、激痛を生じます。
これを尿路結石と言います。
コメント;
実際には尿酸が原因の結石は7%ぐらいで多くはありません。
75%はリン酸カルシウムやシュウ酸カルシウムなどのカルシウム結石(レントゲンで白く映ります)。
15%gaリン酸アンモニウム、リン酸マグネシム結石です。

高尿酸血症は、圧倒的に男性の患者が多い病気です。
高尿酸血症に女性の患者が少ないのは、女性ホルモンが尿酸の代謝に関連するためと考えられています。

尿酸値が高くなる要因
通常の状態では、体内における尿酸の産生量と排泄量はほぼ同じで、血液中の尿酸量は一定に保たれています。
しかし、尿酸の産生が増えすぎたり、腎臓からの排泄が少なかったりすると、血液中の尿酸が多くなります。

尿酸はプリン体と呼ばれる物質から産生されます。
プリン体は細胞の核を構成する成分で、80~90%は体内で作られます。
そのため、極端に避ける必要はありませんが、ビール・鶏卵・魚卵・肉・魚などに多く含まれているので、日頃からプリン体を多く含む食品をたくさん取っている人は注意が必要です。

アルコールを飲む習慣がある人は、おつまみにプリン体が多く含まれる食品が多いため、おつまみは野菜などにするといった工夫も必要です。
適切な飲酒によるアルコールの制限は、治療の重要な柱となります。
ビールだけが原因になる、あるいは低プリン体ビールだから大丈夫だと思う人も多いですが、残念ながらアルコールはプリン体の有無にかかわらず尿酸値を上げる働きがあります。                                    そのため、どんな種類のアルコールであっても適切な飲酒量にとどめましょう。
具体的には男性で1日あたりに純アルコール換算で20g(ビールなら缶ビール350〜多くて500ml)が目安となり、女性ではその半分~2/3程度の量が勧められています。
参考

・ビールの中のプリン体は、食物中のプリン体より吸収率が高い
・アルコールは、それ自体の分解の際に尿酸を産生し、尿中尿酸排泄を阻害する働きもあるため、血清尿酸値が上昇する

高尿酸血症を予防する方法
高尿酸血症を予防するためには、まずは食事に気をつけます。
年齢や性別、活動量などから適切なエネルギー摂取量を意識し、適切な体重を保つことが大切です。
肥満の方は、体重を減らすだけで尿酸値が改善してくることがあります。

アルコールについては、ビールのようにプリン体が多く含まれるものだけでなく、アルコール自体が尿酸をあげる作用があるため、どんなアルコールであっても飲み過ぎは禁物です。

プリン体を全く摂らないという食生活は現実的ではありません。
現実的には、たんぱく質食品(肉・魚介類・大豆製品・卵)の過剰摂取を避け、肉汁や動物の内臓を含む食事を制限する程度から始めると良いとされています。

また、水分をしっかりとることは尿酸の排泄を促します。
海藻や野菜類をしっかり摂ると尿がアルカリ性に傾き、尿酸が排泄されるので結石を作りにくくなります。
こういった食品も毎日意識して摂取しましょう。

無酸素運動など激しい運動を行なった場合は、プリン体から尿酸が急激に生成されます。
尿酸値が高い場合には、ジョギングなどの有酸素運動を適度に継続して行うことが大切です。

参考
高尿酸血症とは? 症状や尿酸値が高くなる要因も
https://brand.taisho.co.jp/contents/livita/detail_239.html

アルコールと高尿酸血症痛風
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-012.html