限局性前立腺がんの15年追跡研究

限局性前立腺がんの15年追跡研究

積極的監視、摘除術、放射線で死亡率に差なし

https://medical-tribune.co.jp/news/2023/0324556058/?utm_source=Pickup&utm_medium=email&utm_campaign=mailmag230327

(要ログイン)

英国のオックスフォード大学の研究グループは、限局性前立腺がん患者に対する3種類の治療  ① 積極的監視(active monitoring)療法、 ② 前立腺摘除術、③ 放射線療法 の予後を約15年追跡した第Ⅲ相非盲検Prostate Testing for Cancer and Treatment(ProtecT)試験の結果をN Engl J Med(2023年3月11日オンライン版)に報告。

3つの治療法で死亡率に差はなかったと述べている。

・今回報告した15年追跡の解析結果から、3つの治療群で前立腺がん特異的死亡率(97%が生存)や全死亡率(78%が生存)に差がないことが明らかになった。

前立腺摘除術や放射線療法により転移や局所進行、長期ADTの数こそ減るものの、これらの減少は死亡率の低下にはつながらなかった。

・主要ガイドラインではベースラインのPSA値、臨床病期、Gleasonグレード、生検所見に基づくリスク層別化を推奨しているが、われわれの試験はそのような方法の限界を明らかにした。

・同試験の患者登録に際しては、マルチパラメトリックMRI前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的としたPET診断は使用されず、生検も画像誘導で行われたものではないと付言し、今回の研究には限界があるとした。

 

関連サイト

前立腺全摘と経過観察で全死亡率に差なし」

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0726509605/

(要ログイン)

前立腺がん監視療法で過剰治療を防げ!」

https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0204535121/

(要ログイン)