やはりジェネリックは先発品ほどには安全性は担保されていない
福井県あわら市の製薬会社「小林化工」が製造した爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が誤って混入し、服用した患者1人が死亡した問題で、同社の小林広幸社長は12日、報道陣の取材に応じ「重大な過失を犯したことを深くおわび申し上げる。責任を痛感している。会社全体で償っていく」と謝罪した。
◆ 入院中の70歳女性、因果関係を調査中
同社によると、死亡したのは、首都圏の病院に入院していた70代女性。
睡眠導入剤「リルマザホン塩酸塩水和物」が誤って混入した経口抗真菌剤イトラコナゾール錠50「MEEK」(ロット番号 T0EG08)を服用した。
同社が死亡との因果関係を調査中。
イトラコナゾール錠50「MEEK」はジェネリック医薬品。
小林社長は「ジェネリックの信頼に大きな影響を与え、深く反省しています」と述べた。
◆健康被害133件中、34件が救急搬送・入院、車の事故16件
同社や県によると、健康被害が報告された133件のうち、救急搬送・入院が確認されたのは34件だった。
服用者の車などの運転による事故は16件発生したという。
県は9日、同社工場に立ち入り、混入の経緯などを聞き取るなどし医薬品医療機器法違反に当たるかを調べている。
同社によると、混入した睡眠導入剤の成分は1錠あたり5ミリグラムで、睡眠導入剤としての通常の最大使用量(2ミリグラム)の2.5倍に当たる。
多い人で1日に8錠服用するケースもある。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/73947
東京新聞 2020.12.12
<不可思議なミス>
とんでもない量の睡眠導入剤が混入していたことになる。
ミスではなく人為的な可能性もありうる。
「睡眠導入剤としての通常の最大使用量(2ミリグラム)の2.5倍」ということは理解できないほどの大量であり、「混入」という表現の域を超えている。
当院はジェネリックはほとんど使用していないが、たまたま同一製剤(但しロット番号は異なる)を採用している。
今のところ何の連絡もないが、次回からメーカーを変更予定。
厚労省はジェネリック普及率を是が非でも80%にしたいらしいが、こういったことが起きることは想定されていた。
厚労省のなんらかのコメントが欲しいところ。
発がん物質の入った降圧剤(バルサルタン)も大したニュースとしてはメディアも取り上げなかった。
政府に忖度していると疑われても仕方ない。
今回は死亡例ということで看過することは出来ない重大事故。
参考
「一般名リルマザホン」の先発品の商品名は「リスミー」
当院で処方していた同一メーカーの同一製剤。
ただしロット番号は異なる。
当院で処方していた同一メーカーの同一製剤。
ただしロット番号は異なる。
こういった事故があった場合には先発メーカーと後発メーカーでは事後処理の内容とスピードは全く異なる。
要するに「先発品と後発品は品質は同じで安価」というTVのCMを信用しないこと。