慢性腎臓病の食事療法
(日内会誌 2023.4)
慢性腎臓病の食事療法
(日内会誌 2023.4)
渡辺内科通信 (1101)2023.6.24
<「単球」の役割> 白血球の成分の一種であり、白血球の3~8%を占め、感染に対する防衛の開始に重要な細胞。細菌などの異物を細胞内に取り込み、消化し、異物の一部を細胞表面に提示します(抗原提示)。これをT細胞が認識して、体の防衛が開始される。
<場所が変わると名前が変わる「単球」> 単球は血管外の組織に移動すると、マクロファージ(大食細胞)と名前を変える。
<ニャンダフルな妄想>
「ニャタレー夫人の恋人」
「華麗なるニャッツビー」
「にゃあ無情」
「千夜一夜(せんにゃいちにゃ)物語」
「山(ニャン)月記」
<残り少ない人生を楽しもう> 童話では怠けものとして描かれている「キリギリス」。実は、成虫が生きていられる期間は短く、6~9月の間のみ。冬の時期にはすでに成虫は死んでいる。卵のみが土の中で越冬するため越冬の準備は不要ということになる。
<出来なかったことではなく・・・>
人生の終わりを迎えるに当たって、あれもしてないこれもしてないではなく、なし得たことを数えてみよう。
<「『レコード芸術』存続を望む」 ①> 以上のタイトルで、同誌にも常々音楽評論を寄稿していた某音大教授が、文藝春秋7月号にの「巻頭随筆」に「思いの丈」を書いていた
<「『レコード芸術』存続を望む」 ②> 廃刊に至る諸事情は十分理解しているようだ。ただし妙案は何一つない。ローカルの鉄道やバスの廃線の原因は乗客。雑誌や週刊誌の廃刊の原因は読者なのだ。私自身も、この教授が生まれた頃からの愛読者だっただけにとても寂しい。
<VUCA> Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉で、目まぐるしく変転する予測困難な状況を意味する。
<「いんぎらっとしまっし」>
金沢弁で「ゆったり(のんびり)してください」の意味
<金沢弁>
きのどくな(ありがとう)
きんかんなまなま(雪道が凍ってツルツルになっている状態のこと)
いじくらしい、いじっかしい(わずらわしい、うっとうしい)
あたる(もらう。 例;良かった、単位あたったぞ!)
コケ(キノコ)
<相変わらずの「検証なし」 ①> インフルエンザとコロナに同時感染する「フルロナ」、2つのパンデミックが世界を襲う「ツインデミック」といった新しい造語まで作られ、昨年末から今春までのインフルエンザ大流行の予想。
<相変わらずの「検証なし」 ②> たしかに陽性者がほぼ皆無の状態が続いた、ここ数年のことを思うと、たしかに(軽い)流行はあった。5月までインフルエンザが見られたのは異例ともいえる。
<相変わらずの「検証なし」 ③> しかし、おどろおどろしい響きの造語ほどの流行ではなかった。ウイルス学的にも「ツインデミック」は起こらないと、冷静な見解を述べる専門家もいた。誰が恐怖心を煽ったのか検証は十分にはされていない。
<相変わらずの「検証なし」 ④> 少なくともインフルエンザワクチンは大量に消費され、大流行の「啓蒙」に少なからずの国家予算が投入された。結局は「予想がはずれてよかったね」で幕引き。「喉元過ぎれば・・・」が相変わらず繰り返されている。
<時々自分(人生)を客観視すること ①> 「私たちの人生を河の流れと見なせば、この河はいずれ、死という海に流れ込みます。流れの中にある時、自分の流されている状況を知る良い方法は、時々淀みに入るか、岸に上がって、流れを外から観察することです」
<時々自分(人生)を客観視すること ②> 「このリトリートの姿勢は、人間が今までの生き方を反省するにとどまらず、過去を振り返り、これから先の指針を決める上で必要な要件です」(日野原重明)
<リトリート(retreat)>「退却、隠遁、引き込み」のこと。宗教的に「退修=修道院などにこもって黙想すること」という意昧もある。
<トゥキュディデスの罠 ①> 新興勢力が台頭し、既存勢力の不安が増大すると、しばしば戦争が起こる、ということを意味する言葉。
<トゥキュディデスの罠 ②> 古代ギリシャの歴史家ツキディデスが、ペロポネソス戦争を不可避なものにしたのは新興国アテネに対するスパルタの恐怖心であった、と記したことに由来。
<椎名誠氏と旅 ①> 「移動手段は馬の旅が多いです。馬というのは一番頼りになる旅の友です。南米パタゴニアやモンゴルでは、馬が主力です。ガソリンスタンドなんてやたらにないから、車で行くとガス欠で終わり。馬だったら、そこら中に草が生えていますから」
<椎名誠氏と旅 ②> 「マイナス40度超のシベリアを黒い毛の馬に乗って1時間ぐらい移動したら、その馬が白馬になっている。びっくりしてね。寒くても馬を走らせると汗をかく。毛についた汗が瞬時に凍って白くなってしまったわけです」
渡辺内科 2023.6.24
モルヌピラビルはコロナ後遺症リスクを減らす
(日経メディカル 2023/05/18 要ログイン)
米国の研究グループは、米国の退役軍人局の電子医療記録を分析し、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性と判定されてから5日以内にモルヌピラビルを処方された患者と、抗ウイルス薬や抗体医薬を使わなかった患者を対象に、陽性判定から30日後以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後遺症リスクを比較して、重症化の危険因子が少なくとも1つある人では、ワクチンの接種状況を問わず、モルヌピラビルの使用で後遺症の相対リスクが減少していたと報告した。
(2023年4月25日のBMJ誌電子版に掲載)
コメント;モルヌピラビル(商品名 ラゲブリオ)
・COVID-19の後遺症を経験した人は、世界で6500万人に及ぶと推定されているが、その症状は非常に幅広く、後遺症に対する特異的な治療法や、後遺症を予防する方法は確立されていない。
著者らは先に、SARS-CoV-2陽性と判定されてから5日以内に抗ウイルス薬のニルマトレルビル・リトナビルを使用すると、後遺症のリスクが減少したことを報告していた。
結論;
COVID-19重症化の危険因子が1つ以上ある人に、SARS-CoV-2陽性判定から5日以内にモルヌピラビルを使用すると、ワクチンの接種状況にかかわらず無治療の人よりも後遺症のリスクが低下していた。
関連サイト
ラゲブリオ(モルヌピラビル)とは
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/011900001/22/10/25/00467/
コロナ飲み薬モルヌピラビル、米国では「最後の選択肢」
日経新聞・夕刊 2023.4.3
物語は主人公が病におかされ、死を前にして自らの人生を振り返る場面から始まる。先に逝った人々を思い起こすとき、聞こえてくるのは賛美歌「また会う日まで」。
賛美歌405番
「また会う日まで Till We Meet Again」
「神ともにいまして God be with you」
https://www.youtube.com/watch?v=G2Napv5SLeI
https://www.youtube.com/watch?v=qBveDaUX7aY
https://www.youtube.com/watch?v=UAi1dwxPhCE
https://www.youtube.com/watch?v=vpeACTOvb7A
限局性前立腺がんの15年追跡研究
積極的監視、摘除術、放射線で死亡率に差なし
(要ログイン)
英国のオックスフォード大学の研究グループは、限局性前立腺がん患者に対する3種類の治療 ① 積極的監視(active monitoring)療法、 ② 前立腺摘除術、③ 放射線療法 の予後を約15年追跡した第Ⅲ相非盲検Prostate Testing for Cancer and Treatment(ProtecT)試験の結果をN Engl J Med(2023年3月11日オンライン版)に報告。
3つの治療法で死亡率に差はなかったと述べている。
・今回報告した15年追跡の解析結果から、3つの治療群で前立腺がん特異的死亡率(97%が生存)や全死亡率(78%が生存)に差がないことが明らかになった。
・前立腺摘除術や放射線療法により転移や局所進行、長期ADTの数こそ減るものの、これらの減少は死亡率の低下にはつながらなかった。
・主要ガイドラインではベースラインのPSA値、臨床病期、Gleasonグレード、生検所見に基づくリスク層別化を推奨しているが、われわれの試験はそのような方法の限界を明らかにした。
・同試験の患者登録に際しては、マルチパラメトリックMRIや前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的としたPET診断は使用されず、生検も画像誘導で行われたものではないと付言し、今回の研究には限界があるとした。
関連サイト
「前立腺全摘と経過観察で全死亡率に差なし」
https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0726509605/
(要ログイン)
「前立腺がん監視療法で過剰治療を防げ!」
https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0204535121/
(要ログイン)
前立腺がん 治療せず経過を観察するのはどんな場合?
https://style.nikkei.com/article/DGXZQOLM202N20Q3A320C2000000?channel=ASH00002
全国がん登録の2018年の統計によれば、日本で前立腺がんと診断された人は年間約9万2000人で、男性が発症するがんの第1位となっている。
ただ、前立腺がんはほかのがんと比べると進行が緩やかで、発見から5年後の生存率は99%以上と、死亡率はそれほど高くない。
とはいえ、前立腺がんのすべての進行が緩やかというわけではなく、2~3割は「足が速い」といわれるケースもある。
しかも、頻尿や残尿感などの尿トラブルが表れる前立腺肥大症とは異なり、前立腺がんは初期に自覚症状があることはまれだ。
前立腺肥大は尿道を取り囲む内腺と呼ばれる部分で発生するため、尿道が圧迫されることでさまざまな尿トラブルが起きる。
それに対し、前立腺がんは主に、尿道から離れた外腺と呼ばれる部分に悪性の腫瘍が発生するため、がんが進行して尿道を圧迫するようになるまで自覚症状が起きにくい。
尿トラブルで受診して前立腺がんが見つかる場合は、すでにがんが進行してしまっているケースも少なくない。
そうなってからでは、がんを根本的に治す「根治的治療」が難しくなることもある。
前立腺がんは50代以降に増える。
そのため、前立腺がんを早期に見つけるための検査である「PSA検査」を、50代以降は定期的に受けることが勧められる。
前立腺がんと診断されても、がんの進行度や悪性度が低い場合には、定期的に検査を受けながら経過を観察する「監視療法」が行われることがある。
実際に監視療法を選択する患者さんは、75歳以上の後期高齢者が多いのが現状だ。
50代、60代といった比較的若い世代では、その後の平均余命は20年以上ありますから、がんを根本的に治して社会復帰することを目標に、治療を進めていくことが多い。
(日経Gooday 30+ 2023.3.25)