洞性徐脈

◯ 徐脈性不整脈の原因は、心疾患以外にも薬剤の副作用や電解質異常など多岐にわたる。

◯ 徐脈性不整脈は刺激伝導系の洞結節機能の異常、房室結節の伝導障害によって出現する。

◯ 洞結節機能の異常による洞不全症候群には、洞性徐脈、洞停止、洞房ブロック、徐脈頻脈症候群がある。

◯ 房室ブロックは1度房室ブロック、ウェンケバッハ型とモビッツⅡ型の2度房室ブロック、高度房室ブロック、完全房室ブロックに分けられる。

 

洞性徐脈の定義

洞結節の電気興奮の生成頻度が60回/分未満である規則正しい徐脈。

健常者においては安静時や睡眠時、迷走神経の緊張状態で出現する

病的な要因では、β遮新薬やジギタリスなどの薬剤の副作用,甲状腺機能低下症が挙げられる。

原因のない洞性徐脈は洞結節の自動能の異常であり、洞不全症候群のI型に分類される。

洞結節は血清カリウム値に強く影響され、潜在性の洞機能不全を合併する症例では.ごく軽度の血清カリウムの上昇でも容易に洞性徐脈や洞停止が出現する。

カリウム血症になりやすい腎不全の患者では,定期的に心電図を記録することか重要だ。

洞性徐脈は.心拍数が40回/分程度までは無症状のために治療は不要だ。

30回/分程度になるとめまいや眼前暗黒感、心不全などをきたすことがあるために、ホルター心電図電気生理学的検査を施行し、結果によっては永久ペースメーカ植込みを行う。 

洞性徐脈はしばしば洞性不整脈(洞調律の変動によってPP間隔の不整が大きい洞調律)を伴う。