コロナワクチンの無料接種、見直し議論 

コロナワクチンの無料接種、見直し議論   感染症分類と並行で

・新型コロナワクチンの予防接種法上の位置づけについて、厚生労働省は、13日に開く専門家分科会で見直しの議論をスタートさせる。

現在は無料で受けられる「臨時接種」に位置づけられているが、来年3月までの期限を延長するか、接種費用に自己負担が生じる形に変更するか、検討を進める。

 

・新型コロナワクチンの接種は、予防接種法に基づき、蔓延を防ぐために緊急に無料で行う「臨時接種」として昨年2月に始まった。

ただ、オミクロン株が主流になってからは感染者の死亡率が低下傾向にあり、欧米では感染対策が大幅に緩和されつつある。

 

・こうした状況を踏まえ、厚労省は、新型コロナの感染症法上の分類を2番目に厳格な「2類」相当から、季節性インフルエンザ並みの「5類」に引き下げるかどうかの検討を進めている。これと並行して、予防接種の位置づけも議論する。

 

・専門家らは、接種の緊急性や効果の持続性などを考慮して議論を進める。

予防接種法には、公費助成により無料または低額で受けられる「定期接種」という枠組みもある。

インフルエンザワクチンは、一般には希望者が自己負担で受ける「任意接種」だが、65歳以上の人らは「定期接種」の対象になる。

(読売新聞 2022.12.10)

高血圧と塩分摂取量

見えない塩分に要注意

日本人の食塩摂取量の約7割は、塩そのものより、しょうゆやみそ、塩蔵品などの加工食品に含まれる塩分です。減塩に取り組むには、加工食品に含まれている塩分を意識し、そのような食品をとり過ぎないようにすることが大切です。

塩分に気付きにくい食品にも注意が必要です。例えば、同じ主食でも、米は食塩0グラムですが、食パンは6枚切り1枚につき、0.8グラムも含まれています。

(参考)見えない塩分に要注意

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/mv4/kenken/contents03.html

 

高血圧の人はなぜ減塩するのか?

高血圧の人で塩分を控える人が多いことは一般的に知られている話だと思います。

塩分と血圧の関係は、まだ十分には解明されていませんが、塩分(ナトリウム)を過剰摂取すると血液の浸透圧を一定に保つために血液中の水分が増えるため、結果的に、体内を循環する血液量を増やします。

このため、末梢血管の壁にかかる抵抗が高くなり、血圧を上げてしまうと考えられています。

減塩による血圧を下げる効果は、1日の摂取量を6g未満にすることで高血圧患者の約20%の血圧は下がりますが、残りの約80%の血圧には変化が殆どありません。

これは、塩分に反応し易い食塩感受性タイプか、逆に反応し難い食塩非感受性タイプかによって左右されます。

しかし、減塩による血圧の低下の効果が無い食塩非感受性タイプであったとしても減塩をする必要はあります。

例えば、腎臓は過剰なナトリウムの排出と、必要なナトリウムの吸収を繰り返していますが、塩分の多い食事を続けていると、ナトリウムの排出が十分に行われなくなり、血液の量が増えて血圧が上昇してしまいます。

また、塩分はコレステロールを高め、血栓をでき易くします。食塩非感受性タイプや、正常な血圧の人でも、塩分の過剰摂取を避けることをお勧めします。

(参考)高血圧の人はなぜ減塩するのか?

https://www.aandd.co.jp/products/hhc/blood_pressure09.html

 

 

 

痛風の痛み原因特定

痛風の痛み原因特定 モルヒネ代用薬開発に期待 マウスで実験

痛風やリウマチ、がんや外傷で起きる「持続する強い痛み」の原因となるタンパク質を特定したと、和歌山県医大と北海道大、兵庫医大のチームが15日、発表した。

(米科学アカデミー紀要)

モルヒネなど医療用麻薬に代わる新たな薬の開発につながる可能性がある。

・医療用麻薬は脳の痛み伝達と関係のない部位にも作用し、呼吸の抑制や嘔吐などの副作用のほか、依存症リスクが問題となっている。

研究チームは将来、革新的な痛み治療につながると確信している、と話す。

・リウマチやがんは呼吸や移動など軽い刺激だけで強い痛みを生むことがあるのが特徴。チームは持続する強い痛みを伝える神経に特徴的に発現しているタンパク質「Tmem45b」に着目。

遺伝子操作でこのタンパク質を作れなくしたマウスと、正常のマウスの足裏を傷つけるなどした後、ブラシのようなもので軽い刺激を与えて行動を観察した。

・正常なマウスは1週間後も強い痛みが継続した一方、遺伝子操作したマウスはほぼ痛みを感じなかった。

(参考・引用一部改変 日経新聞・朝刊 2022.11.16)

糖尿病とは?原因と症状(初期症状)

糖尿病とは?原因と症状(初期症状)

糖尿病になると、体内のインスリンの作り方や使い方に問題が起き、摂取した食物エネルギーを正常に代謝できなくなります。

インスリン膵臓で作りだされて血糖を正常範囲に保つ役割をしますが、インスリンの作用不足により、血糖が高くなってしまうのです。

糖尿病には大きく分けて次の2つのタイプがあります。

コメント;

インスリンの作用不足には、

① 標的臓器でのインスリンの感受性低下

      

膵臓での分泌不足

があります。

①は糖尿病発症早期に、②は中期以降に多く見られる傾向にあります。

(2型)糖尿病というと、インスリン不足を真っ先に想像してしまいますが、発症初期には十二分にインスリンが出ていることがしばしばあるのです。

 

2型糖尿病(ほとんどの糖尿病の方は、このタイプです)

臓はインスリンを作り出しますが、2型糖尿病では、量が十分ではない(インスリン分泌不全)か、作られたインスリンが十分作用しません(インスリン抵抗性)。

以前は「インスリン非依存型糖尿病」と呼ばれていました。

2型糖尿病は最も一般的な糖尿病で、10人に9人以上はこのタイプです。

若い人でも発症する場合もありますが、40歳を過ぎてから発症する場合がほとんどです。

糖尿病になる要因はさまざまで、食生活などの環境因子と体質(遺伝)の組み合わせで起こると考えられています。

糖尿病と肥満を結びつける方がいらっしゃるかもしれませんが、病気の名前に「糖」という文字が入っているからといって砂糖などの甘いものの取り過ぎといったことだけが原因ではないのです。

なお、2型糖尿病の治療の「基本」は、あくまでも適切な食事と運動です。

これは薬(経口内服薬やインスリンなどの注射)を使うようになってからも同様です。

このことはとても大切なことです。

参考

糖尿病の食事療法

https://higashi-clinic.com/pdf/d02.pdf

食事療法

https://www.kyowakirin.co.jp/diabetes/meal/index.html

 

コメント;

食事療法というと、摂取カロリーばかりが頭に浮かんでしまいます。

しかし、同じカロリーであっても「糖質の吸収度合い」によって血糖の変動に差が出ます。

糖質の吸収が遅いほど、インスインの分泌を行う膵臓への負担が少ないということになります。

血糖の変動幅が大きいほど、糖尿病の予後がよくないことも知られています。

しかし、意外とこのことは糖尿病本人に限らず指導する側の医師にも普及していないのが実情です。

この概念を理解するのは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index、略してGI)という言葉を是非とも覚えておいてください。

参考

GIについて学ぼう

https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/glycemic-index/ 

 

2型糖尿病の治療に使われる薬にさまざまな種類があり、糖尿病の状態に合わせて使います。

最近では、SGLT2という経口内服薬が糖尿病に限らず心不全や慢性腎臓病の予後を改善するよいうことで注目されています。

最初は飲み薬から始めることが多いのですが、血糖値が下がらないときはGLP-1受容体作動薬という注射が選択肢の1つとなります。

また、インスリンの分泌量が十分でないときは、注射でインスリンを補います。

参考

注射治療の選択肢

https://www.diabetes.co.jp/dac/coexistence/option/

GLP-1受容体作動薬とは?

https://www.diabetes.co.jp/dac/coexistence/glp-1/

 

主な症状

2型糖尿病は、初期の段階では自覚症状がまったくないことが多く、症状があらわれるしても、非常にゆっくり、少しずつあらわれます。

疲労

・皮膚が乾燥して痒い

・手足の感覚が低下する、または、チクチク指すような痛みがある

感染症によくかかる

・頻尿

・目がかすむ

・性機能の問題(ED)

・切り傷やその他の皮膚の傷が治りにくい

・空腹感やのどの渇きがひどくなる

 

2型糖尿病の原因

2型糖尿病は、次のような人に起こりやすいことがわかっています。

・40歳以上の人

・太りすぎの人

・家族に糖尿病の患者がいる

・著しい運動不足

 

2型糖尿病の発病は遺伝性による場合があるため、上にあげた症状のうち、あてはまるご家族(父母、兄弟姉妹、子ども)には、糖尿病の検査をおすすめします。

また、適切な食事をとり、適度な運動をして肥満に気をつけていれば、2型糖尿病を防ぐ、あるいは発症を遅らせることができます。

コメント;

いずれの型の糖尿病にせよ糖尿病の治療に最も大きな役割を果たすのはあなた自身です。

つまり、主治医は自分自身なのです。

医師は「主治医である」本人に、適切なアドバイスをするコーチの役目です。

ゴルフにたとえると、患者さん自身がプレーヤーで、医師はキャディーかコーチングスタッフなのです。

是非とも糖尿病のプロのプレーヤーを目指してください。

 

ご自分の糖尿病を管理するために何ができるか、情報を集めましょう。

糖尿病について知識を増やすことは大切なことです。

糖尿病のことを知れば知るほど、糖尿病と上手に付き合っていけるからです。

わかりやすく理解する素晴らしい動画サイトをご紹介しますので、是非とも少しずつでも見てください。

糖尿病3分間ラーニング

https://dm-net.co.jp/3min/

糖尿病3分間ラーニング | 糖尿病ネットワーク -スマホサイト

https://dm-net.co.jp/3min/sp/

 

<参考>

糖尿病とは?原因と症状(初期症状)

https://www.diabetes.co.jp/dac/diabetes/symptom-type

インスリン抵抗性

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-012.html

 

糖尿病とは?原因と症状(初期症状)

糖尿病とは?原因と症状(初期症状)

糖尿病になると、体内のインスリンの作り方や使い方に問題が起き、摂取した食物エネルギーを正常に代謝できなくなります。

インスリン膵臓で作りだされて血糖を正常範囲に保つ役割をしますが、インスリンの作用不足により、血糖が高くなってしまうのです。

糖尿病には大きく分けて次の2つのタイプがあります。

コメント;

インスリンの作用不足には、

① 標的臓器でのインスリンの感受性低下

      

膵臓での分泌不足

があります。

①は糖尿病発症早期に、②は中期以降に多く見られる傾向にあります。

(2型)糖尿病というと、インスリン不足を真っ先に想像してしまいますが、発症初期には十二分にインスリンが出ていることがしばしばあるのです。

 

2型糖尿病(ほとんどの糖尿病の方は、このタイプです)

臓はインスリンを作り出しますが、2型糖尿病では、量が十分ではない(インスリン分泌不全)か、作られたインスリンが十分作用しません(インスリン抵抗性)。

以前は「インスリン非依存型糖尿病」と呼ばれていました。

2型糖尿病は最も一般的な糖尿病で、10人に9人以上はこのタイプです。

若い人でも発症する場合もありますが、40歳を過ぎてから発症する場合がほとんどです。

糖尿病になる要因はさまざまで、食生活などの環境因子と体質(遺伝)の組み合わせで起こると考えられています。

糖尿病と肥満を結びつける方がいらっしゃるかもしれませんが、病気の名前に「糖」という文字が入っているからといって砂糖などの甘いものの取り過ぎといったことだけが原因ではないのです。

なお、2型糖尿病の治療の「基本」は、あくまでも適切な食事と運動です。

これは薬(経口内服薬やインスリンなどの注射)を使うようになってからも同様です。

このことはとても大切なことです。

参考

糖尿病の食事療法

https://higashi-clinic.com/pdf/d02.pdf

食事療法

https://www.kyowakirin.co.jp/diabetes/meal/index.html

 

コメント;

食事療法というと、摂取カロリーばかりが頭に浮かんでしまいます。

しかし、同じカロリーであっても「糖質の吸収度合い」によって血糖の変動に差が出ます。

糖質の吸収が遅いほど、インスインの分泌を行う膵臓への負担が少ないということになります。

血糖の変動幅が大きいほど、糖尿病の予後がよくないことも知られています。

しかし、意外とこのことは糖尿病本人に限らず指導する側の医師にも普及していないのが実情です。

この概念を理解するのは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index、略してGI)という言葉を是非とも覚えておいてください。

参考

GIについて学ぼう

https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/glycemic-index/ 

 

2型糖尿病の治療に使われる薬にさまざまな種類があり、糖尿病の状態に合わせて使います。

最近では、SGLT2という経口内服薬が糖尿病に限らず心不全や慢性腎臓病の予後を改善するよいうことで注目されています。

最初は飲み薬から始めることが多いのですが、血糖値が下がらないときはGLP-1受容体作動薬という注射が選択肢の1つとなります。

また、インスリンの分泌量が十分でないときは、注射でインスリンを補います。

参考

注射治療の選択肢

https://www.diabetes.co.jp/dac/coexistence/option/

GLP-1受容体作動薬とは?

https://www.diabetes.co.jp/dac/coexistence/glp-1/

 

主な症状

2型糖尿病は、初期の段階では自覚症状がまったくないことが多く、症状があらわれるしても、非常にゆっくり、少しずつあらわれます。

疲労

・皮膚が乾燥して痒い

・手足の感覚が低下する、または、チクチク指すような痛みがある

感染症によくかかる

・頻尿

・目がかすむ

・性機能の問題(ED)

・切り傷やその他の皮膚の傷が治りにくい

・空腹感やのどの渇きがひどくなる

 

2型糖尿病の原因

2型糖尿病は、次のような人に起こりやすいことがわかっています。

・40歳以上の人

・太りすぎの人

・家族に糖尿病の患者がいる

・著しい運動不足

 

2型糖尿病の発病は遺伝性による場合があるため、上にあげた症状のうち、あてはまるご家族(父母、兄弟姉妹、子ども)には、糖尿病の検査をおすすめします。

また、適切な食事をとり、適度な運動をして肥満に気をつけていれば、2型糖尿病を防ぐ、あるいは発症を遅らせることができます。

コメント;

いずれの型の糖尿病にせよ糖尿病の治療に最も大きな役割を果たすのはあなた自身です。

つまり、主治医は自分自身なのです。

医師は「主治医である」本人に、適切なアドバイスをするコーチの役目です。

ゴルフにたとえると、患者さん自身がプレーヤーで、医師はキャディーかコーチングスタッフなのです。

是非とも糖尿病のプロのプレーヤーを目指してください。

 

ご自分の糖尿病を管理するために何ができるか、情報を集めましょう。

糖尿病について知識を増やすことは大切なことです。

糖尿病のことを知れば知るほど、糖尿病と上手に付き合っていけるからです。

わかりやすく理解する素晴らしい動画サイトをご紹介しますので、是非とも少しずつでも見てください。

糖尿病3分間ラーニング

https://dm-net.co.jp/3min/

糖尿病3分間ラーニング | 糖尿病ネットワーク -スマホサイト

https://dm-net.co.jp/3min/sp/

 

<参考>

糖尿病とは?原因と症状(初期症状)

https://www.diabetes.co.jp/dac/diabetes/symptom-type

インスリン抵抗性

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-012.html

 

高尿酸血症とは? 要因と対処法

高尿酸血症とは? 症状や尿酸値が高くなる要因も
高尿酸血症痛風になるリスクもあります
血液中の尿酸値が7.0㎎/dlを超える状態を高尿酸血症と呼んでいます。
成人男性の20%が高尿酸血症であるとも言われています。
高尿酸血症痛風関節炎だけでなく、腎障害やメタボリックシンドローム、心血管障害とも関連があります。
高尿酸血症痛風発作が海面に浮いている氷山にたとえると、海面下に脳卒中心筋梗塞、腎障害、高血圧、狭心症などが潜んでいる可能性があります。
したがって、高尿酸血症の方は尿酸値だけのコントロールだけをすればいいというわけではありません。
長い目でみれば致死的になる生活習慣病が隠れている可能性があるのです。
高尿酸血症だけでは死に直結しません。
水面下の病気を積極的にみつけて治療することが大切です。

高尿酸血症の人は、尿酸値が6.0mg/dL以下の人に比べて生活習慣病を合併する割合が3倍以上といわれています。
参考
氷山で理解する痛風発作のメカニズム
https://www.youtube.com/watch?v=4MuVEdBBjic
(動画)

尿酸値が高いだけでは症状はありませんが、血中の尿酸値が高い状態が続くと溶け切れなくなった尿酸が結晶となり、関節などに蓄積していきます。

蓄積した尿酸の結晶は体が異物として認識するためにそこで炎症が起き、これが痛みとして感じられるようになります。(「痛風発作」といいます)

また尿酸が腎臓にたまって結石ができると背中に痛みが生じ、結石が尿管や膀胱に移行するとその部分で炎症を起こし、激痛を生じます。
これを尿路結石と言います。
コメント;
実際には尿酸が原因の結石は7%ぐらいで多くはありません。
75%はリン酸カルシウムやシュウ酸カルシウムなどのカルシウム結石(レントゲンで白く映ります)。
15%gaリン酸アンモニウム、リン酸マグネシム結石です。

高尿酸血症は、圧倒的に男性の患者が多い病気です。
高尿酸血症に女性の患者が少ないのは、女性ホルモンが尿酸の代謝に関連するためと考えられています。

尿酸値が高くなる要因
通常の状態では、体内における尿酸の産生量と排泄量はほぼ同じで、血液中の尿酸量は一定に保たれています。
しかし、尿酸の産生が増えすぎたり、腎臓からの排泄が少なかったりすると、血液中の尿酸が多くなります。

尿酸はプリン体と呼ばれる物質から産生されます。
プリン体は細胞の核を構成する成分で、80~90%は体内で作られます。
そのため、極端に避ける必要はありませんが、ビール・鶏卵・魚卵・肉・魚などに多く含まれているので、日頃からプリン体を多く含む食品をたくさん取っている人は注意が必要です。

アルコールを飲む習慣がある人は、おつまみにプリン体が多く含まれる食品が多いため、おつまみは野菜などにするといった工夫も必要です。
適切な飲酒によるアルコールの制限は、治療の重要な柱となります。
ビールだけが原因になる、あるいは低プリン体ビールだから大丈夫だと思う人も多いですが、残念ながらアルコールはプリン体の有無にかかわらず尿酸値を上げる働きがあります。                                    そのため、どんな種類のアルコールであっても適切な飲酒量にとどめましょう。
具体的には男性で1日あたりに純アルコール換算で20g(ビールなら缶ビール350〜多くて500ml)が目安となり、女性ではその半分~2/3程度の量が勧められています。
参考

・ビールの中のプリン体は、食物中のプリン体より吸収率が高い
・アルコールは、それ自体の分解の際に尿酸を産生し、尿中尿酸排泄を阻害する働きもあるため、血清尿酸値が上昇する

高尿酸血症を予防する方法
高尿酸血症を予防するためには、まずは食事に気をつけます。
年齢や性別、活動量などから適切なエネルギー摂取量を意識し、適切な体重を保つことが大切です。
肥満の方は、体重を減らすだけで尿酸値が改善してくることがあります。

アルコールについては、ビールのようにプリン体が多く含まれるものだけでなく、アルコール自体が尿酸をあげる作用があるため、どんなアルコールであっても飲み過ぎは禁物です。

プリン体を全く摂らないという食生活は現実的ではありません。
現実的には、たんぱく質食品(肉・魚介類・大豆製品・卵)の過剰摂取を避け、肉汁や動物の内臓を含む食事を制限する程度から始めると良いとされています。

また、水分をしっかりとることは尿酸の排泄を促します。
海藻や野菜類をしっかり摂ると尿がアルカリ性に傾き、尿酸が排泄されるので結石を作りにくくなります。
こういった食品も毎日意識して摂取しましょう。

無酸素運動など激しい運動を行なった場合は、プリン体から尿酸が急激に生成されます。
尿酸値が高い場合には、ジョギングなどの有酸素運動を適度に継続して行うことが大切です。

参考
高尿酸血症とは? 症状や尿酸値が高くなる要因も
https://brand.taisho.co.jp/contents/livita/detail_239.html

アルコールと高尿酸血症痛風
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-012.html

LDL(悪玉)コレステロールに要注意! 

LDL(悪玉)コレステロールに要注意! 
血中脂質とは何か
一般的に「血中脂質」と呼ばれるものは、血中に含まれる脂肪分のことをいいます。
LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール中性脂肪(トリグリセリド)などの総称です。

これらは脂肪分(荷物に例えられます)なので、直接血中に溶けずリポタンパク質と呼ばれるタンパク質(荷物を運ぶトラックに例えられます)に結合して、血液に溶け込める様になった状態で全身に運搬されエネルギー源として使用されています。

LDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールの違い
このLDL、HDLとはそれぞれ、Low Density Lipoprotein(LDL=低濃度のリポタンパク質)、High Density Lipoprotein(HDL=高濃度のリポタンパク質)の頭文字で、脂肪分を運搬するリポタンパク質(前述)のことです。
体内のコレステロール運搬を担うリポタンパク質の違いで、含まれる脂肪の濃度や体内での脂肪運搬の機能が異なっています。

LDL(悪玉)コレステロールは本来、細胞内に取り込まれて、ホルモン産生、細胞膜の形成などの役割を担いますが、血中に多く存在すると血管壁に沈着、蓄積し、血管の壁で炎症反応を起こして血管の内壁を傷つけ、動脈硬化に起因する心筋梗塞脳梗塞などの誘引となることが知られています。
つまり、生きていく上で欠かせないものではありますが、多過ぎるとよくないということになります。

対照的に、HDL(善玉)コレステロールは、組織に蓄積したコレステロールの除去、抗酸化作用、血栓予防作用、血管の内壁の維持、血液を固まりにくくする作用で、動脈硬化を防ぐ作用があると考えられています。

血中脂質の診断基準
一般的に、過去に重い病歴などのない健康な方においてのコレステロールが高い状態の基準は以下の様です。

 LDL(悪玉)コレステロール140mg/dL以上(120-139mg/dLは境界型)
 HDL(善玉)コレステロール 40mg/dL未満
   中性脂肪(トリグリセリド)150mg/dL以上

ただし、これらの値はあくまで高血圧、糖尿病、過去の心筋梗塞などがなく、動脈硬化性の疾患を起こすリスクが低い方での基準です。
また、検診では、より低い数値を正常値の上限に設定しています。

参考
コレステロール値が新基準に
https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/18011

コメント;
これは、あくまでも「人間ドック協会」が作った基準値です。

コレステロール値に限ってのことではありませんが、一般的に日本動脈硬化学会などの「学会」で定めた基準値より「協会」の基準値は厳しく、つまり低めに設定されています。
しっかりした学問的裏付けも希薄です。
人間ドックなどで異常を指摘されて来院される方は、数多く見えます。

高血圧等の症状があり、リスクが高いと判断される方の場合には、LDL(悪玉)コレステロールの目標値がより低い値になるので注意が必要です。

そして、正確なコレステロール値の測定のためには、空腹時採血(10時間以上の絶食)が推奨されますので、採血のある日の食事摂取の有無は気をつけます。
(ただし、コレステロールの場合には血糖や中性脂肪のようには食事の影響はありません)

LDL(悪玉)コレステロール値を下げるための生活習慣
LDL(悪玉)コレステロール値が高い場合には、生活習慣を見直すことが大切です。
これには食事療法と運動療法があります。
過去の研究でも食事、運動を見直すことによって体重減少とそれに伴うLDL(悪玉)コレステロールの減少が報告されています。

コメント;
しかし、残念ながら生活習慣病の改善による効果は、中性脂肪の減少効果ほどではありません。
一般的にもコレステロール値と体重の関係は中性脂肪や血糖よりもはるかに弱いものです
例えば、やせた方でコレステロールの高い方はたくさんみえます。
体質(遺伝)の要素が強く、薬物療法コレステロール低下には早道となります。
食事療法でコレステロールを下げようとすると腸管からのコレステロールの血中への吸収は減りますが、かえって肝臓でのコレステロールの産生が増えてしまうのです。
血中のコレステロールのうち、肝臓由来が約8割、そして腸管吸収(つまり食物)由来は約2割といわれています。
つまり、食事療法の効果は少ないということになります。

<食事>
食事療法などで一般的に勧められるのは、「地中海食」と呼ばれる様なフルーツ、野菜、全粒の穀物、豆類、ナッツ、種子類を多くして、オリーブオイルを主にした脂質と、魚、鶏肉、乳製品によるタンパク摂取を主にした食事です。
過体重/肥満の人で、この食事療法に取り組むと、LDL(悪玉)コレステロール値が7mg/dL前後(4 〜 10mg/dL)減少すると言われており、運動と一緒に取り組むと効果的です。

<運動>
また、運動による、LDL(悪玉)コレステロールを含む動脈硬化に関連するコレステロールの低下とHDL(善玉)コレステロールの増加も認められています。
コメント;
この二つの治療はLDLを下げるよりHDLを増加させるのに有効ということになります。
最近は、LDLやHDLコレステロールの絶対値よりも両者の比率つまり、L/ H比やnon-HDLコレステロール値が重要視されています。
 (参考)正常値
  L (LDLコレステロール)/ H(HDLコレステロール)比       2〜3以下
  non HDLコレステロール(総コレステロール - HDLコレステロール)150mg/dl以下

一般的には有酸素運動と呼ばれるような、早歩きのウォーキング(歩行中に会話はできるが歌えないくらい)などが、始めるのにあまり準備なども必要なく比較的安全です。

はじめは週3回、1回20-30分程度から始めて、体調などを見ながら少しずつ増やしてみましょう。

参考
LDL(悪玉)コレステロールに要注意!
https://brand.taisho.co.jp/contents/livita/detail_236.html