ファイザーのコロナワクチン 免疫の防御機能 長期間持続か
3万人規模の治験、月内にも
米製薬大手ファイザーは2020年8月20日、独製薬ベンチャーと共同開発する新型コロナウイルスのワクチンについて「キラーT細胞」と呼ばれる免疫システム反応を引き起こすことを確認したと公表した。
このT細胞はウイルスを攻撃する働きを持ち、抗体が体内から消えた後もウイルスヘの防御機能を持ち続けるとの研究がある。
今後、大規模な治験で実証を進める。
ファイザーは独ビオンテックと組み、RNA(リボ核酸)ワクチン候補「BNT-162」4種類の治験を進めている。
4~5月、60人が参加してドイツで行った初期~中期の治験で、複数の新型コロナ変異株に対しT細胞の反応を引き起こすとのデータを得た。
ファイザーは旱ければ今月中にも、最大3万人を対象とした治験に進む。
2020年末までに1億本、21年には13億本の供給が可能と見ている。
参考・引用一部改変
日経・夕刊 2020.7.21
英大学「ワクチン初期治験 効果」
新型コロナウイルスのワクチンを開発しているオックスフォード大のチームが20目、人に投与する初期の臨床試験(治験)で安全性と免疫反応を起こす効果が確認されたと、英医学誌ランセットで発表した。
病気から身を守る効果が十分かどうかを調べるにはより大規模な治験が必要だが、グループは
「有望な結果だ」と期待している。
今回の結果は3段階ある治験の初期のもので、英国で4~5月、新型コロナにかかったことのない
健康な18~55歳を対象にし、1077人が参加。
ワクチン候補の投与を受けた28日後には、9割でウイルス感染を防ぐ中和抗体反応が確認された。ウイルスに感染した細胞を攻撃するT細胞による免疫反応も、投与の14日後をピークに著しく高まることが確認された。
7割が疲労感や頭痛を経験したが、深刻な副作用は確認されなかったという。
オックスフォード大が英製薬大手アストラゼネカと開発するワクチン候補は先行例のIつとされる。
アストラゼネカの日本法人では8月にも国内で小規模治験を始める意向を示ししている。
参考・引用一部改変
朝日新聞・夕刊 2020.7.21